ティエロクSS
ティエリアは物思いに耽っていた。
ちらちらと頭の中を支配するのはロックオン・ストラトスという男のこと。
なぜロックオンのことが気になるのか、ティエリアには判らなかった。
それが俗に言う「片思い」だということに、恋愛経験皆無のティエリアには判っていなかった。
昼食の時間になったので、トレミーの食堂へ向かう。
そこにはロックオンがいた。
ティエリアの心臓がとくんと一跳ねする。
「よう、ティエリア」
ロックオンが声をかけてくる。
とくん。
また心臓の鼓動が高鳴った。
「な、何か用か? ロックオン・ストラトス」
ティエリアがぎこちなく言い返す。
「ただの挨拶だよ。あまりかしこまるなよ」
ロックオンに言われ、ティエリアは緊張を解いた。
パイロット食のトレーを持つと、ロックオンの向かいの席に座る。
内心ティエリアはドキドキしていた。
2人無言で食事を始める。
その間も、ティエリアはロックオンのことが気になって仕方がなかった。
「俺の顔に何かついているのか?」
不意に尋ねられ、ティエリアは食事も忘れてロックオンの顔を見つめていたことに改めて気づく。
「いや、何でもない」
そう答えるが、ティエリアは食事がのどを通らなかった。大分残っている食事をダストシュートに放り込む。
「おいおい、それしか食わねえのか?」
「食欲がない」
ティエリアはそう答えると食堂を後にした。
ヴェーダの部屋へ向かう。
そこはティエリアが唯一落ち着いていられるところだった。
ティエリアは第7レベルの情報まで潜っていく。
そこにはガンダムマイスターの本名などが記載されていた。
「ニール・ディランディ……」
ティエリアが呟く。
これがロックオンの本名か。
ティエリアは再びドキドキするのを感じていた。
なぜ彼のことを考えると胸がドキドキして痛くなるのだろう。
ティエリアはヴェーダの部屋から出ると、自室のベッドに横になった。
枕を抱える。
「ロックオン……いや、ニール……」
名を呟くだけで頬が赤くなる。
ティエリアがその意味を知ることになるのはかなり後のこととなる。
FIN
















最近のコメント